制御盤製作時の部品選定(リレー)

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今回は、制御盤でよく使用されるリレーの種類や選定基準について紹介します。

制御盤製作において、制御回路設計の際の部品選定において高い確率でリレーの選定があります。シーケンス制御をする上では必須の部品で基本中の基本となる部品です。でも、初めてリレーという名前を聞く人にとっては、「リレーってなに?」となると思います。

このページでリレーとはなにか、リレーの種類や選定基準を覚えてリレーの選定ができるようになれば、あなたも制御屋さんの一員です。

※リレーの基本的な使い方については以下のページをご覧ください。

リレー回路の基本的な使い方と基礎回路について電気制御基礎|リレー回路の基本的な使い方と基礎回路について

※制御盤製作の全体の業務手順、仕様確認については以下のページをご覧ください。

制御盤製作案件時の業務手順|全体の業務フロー制御盤製作案件時の業務手順|全体の業務フロー

仕様確認の手順(制御盤案件時)

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1.リレーってなに?

リレーってなに?

 

リレーと聞いて、バトンを持って走って次の走者へ渡す陸上競技を思い出した方もいるかと思います。実際の電気部品のリレーにおいても、外から電気信号を渡されて、次の機器へ電気信号を渡す役割をしています。

制御盤で主に使用されるリレーはメカニカルリレーと呼ばれるものです。外から電気信号を与えて、コイルに電気が流れることで電磁石の原理で鉄片を引き寄せて接触させることで、別の電気信号を渡すことが出来るというものです。

よく使用するケースとして、制御回路はDC24Vをメインとして設計したけど、制御機器の都合上、AC100VまたはAC200Vで制御する機器があったりするとき。DC24VにてリレーをON/OFFさせ、AC100VまたはAC200Vの制御機器をON/OFFさせるためにリレーを入れて制御することで電気信号を変換して渡す回路にします。

また、同じ電圧であっても電流値が大きい場合などはPLCで直接ON/OFFするとPLCの出力接点が過電流で過熱により焼損していまいます。この場合にも接点容量の大きいリレーを入れることでより大きい電流値が流せるように電気信号を変換して渡します。

もう一つの役割が1つの電気信号を複数の電気信号に変換して複数の制御機器を同じ電気信号で同時に制御できることです。信号一つでは不足している時にリレーを入れることで、メカニカルリレーであれば1つのリレーで4接点まで増やすことが出来ます。同時にいくつものリレーを制御すれば、4接点×リレー個数分だけ電気信号を増やすことができます。

リレーは電気信号のON/OFFを別の電気信号にして渡すことが可能です。

 

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2.どんなリレーがあるの?

 

さて、リレーの役割や仕組みが分かったところで、リレーはどんな種類のものがあるのかを把握しておきましょう。制御盤を製作する上では大きく分けて2種類のリレーを使用することが多いです。

まず一つ目はメカニカルリレーです。有接点で、ON/OFFすると「カチカチ」と音がします。仕組みは1項で書いた通り、外から電気信号を与えてコイルに電気を流し、電磁石の原理で鉄片を引き寄せて接点を接触させて別の電気信号として渡すことが出来るというものです。

制御盤製作の場合には、使用するリレーはほとんどがメカニカルリレーのことが多いです。

メカニカルリレーの弱点として、接点の摩耗があります。有接点ですので、接点がくっついたり離れたりすることで、アークと呼ばれる火花が発生して接触部分の摩耗が発生します。

10万回以上の動作保証があるものがほとんどですが、10万回は意外と早く訪れます。1分に2回ON/OFFするとなると、1時間では120回、1日で2880回、10万回には「34日と17時間ちょっと」で達してしまいます。

頻繁にON/OFFする電気信号にはあまり向いていないのですが、構造が簡単であることから安価であり入手性も良く、そこまで頻繁にON/OFFするものもあまりないため、有接点リレーが使用されることが多いです。

 

次に紹介するのは無接点リレーと呼ばれるものです。ソリッドステートリレー(SSR)が良く聞く代表的名称です。MOS FETやトライアックなどの半導体素子を使用して電子的にON/OFFさせるものになります。

無接点であるため、静音、長寿命、メンテナンスフリーなどをうたって販売されています。半導体素子のため、小型化でき、高速な反応速度も特徴となります。価格としてはメカニカルリレーよりは高くなることが多いです。

無接点リレーの弱点として、有接点リレーに比べて放熱対策が必要となってきます。理由は、半導体素子を使用しているため、半導体でのロスが発生して発熱へ変わるエネルギー変換が発生するため、自己発熱が大きくなる特徴があります。

また、同じ負荷を制御することを考えた場合、無接点リレーより有接点リレーの方が小さくて済みます。放熱対策のために放熱器(ヒートシンク)が必要になるため、無接点リレーの方が大きくなってしまいます。電流値が小さければ大した発熱もないのですが、ちょっと電流値が大きくなると放熱対策は必須ですので、忘れないようにしましょう。

 

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3.リレーの選定基準

 

有接点リレーと無接点リレーのぞれぞれの特徴が分かったところで、今度はどのような基準で選べばよいのか説明していきます。

 

  1. 接点開閉頻度
  2. 接点容量
  3. 接点数
  4. サイズの確認
  5. 私の場合の選定基準

 

3-1.接点開閉頻度

 

それぞれの構造の特徴として以下が挙げられます。

有接点リレー:機械式接点のため、安価だが接点摩耗が生じ、反応速度は高速ではない
無接点リレー:半導体素子のため、反応速度は高速だが発熱があり、やや高価

 

有接点、無接点でそれぞれ特徴があり、その特徴に応じて使い分けしていくしかありません。開閉頻度が多く、スペースに余裕を持てる場合には、放熱性を考慮して無接点リレーを使用した方がよいでしょう。有接点リレーのように接点摩耗がなく高速に反応しますので開閉頻度が多いものには無接点リレーが向いています。

逆に、そこまで開閉頻度は多くない場合には有接点リレーが向いているでしょう。一度ONしたらしばらくそのまま接点が接触したままとなっているのであれば、アークは発生しないので安価で発熱性のない有接点リレーが良いでしょう。

 

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3-2.接点容量

 

有接点リレーも無接点リレーもそれなりに大きい容量までラインナップがあります。気になるのは放熱対策と価格です。

有接点リレーは隣同士でかなり接近して設置しても問題ありませんが、無接点リレーの場合は放熱対策のために隣同士でくっつけて設置するのは熱による寿命低下が心配なところです。

また、数量がある場合には価格にも差が出てきますので、コスト面と放熱対策を考慮して、カタログに記載されている設置基準をよく確認して選定しましょう。

 

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3-3.接点数

 

接点数は有接点リレーも無接点リレーも小容量の接点容量であれば大差なく選定できますが、比較すると接点数は同じ大きさでも無接点リレーの方がやや少ないことが多いです。大容量になってくると接点数も確実に変わってきます。

また、各メーカーのカタログに記載されているラインナップと説明をよく読んで接点数以外の点も考慮しながら選定しましょう。

 

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3-4.サイズの確認

 

サイズは有接点リレーの方が小さいことが多いです。無接点リレーは放熱対策のために有接点リレーよりもやや大きいものが多いです。

また、接点数の多いものが少ないため、接点数を多く使用する場合には少ない接点数の無接点リレーを複数設置することになり、場所を大きくとってしまいます。

最近は小型化が流行りですので、有接点リレーを使用してスペース確保に努めることをおすすめします。

 

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3-5.私の場合の選定基準

 

いくつかのポイントを説明しましたが、私の場合の選定基準をまとめると以下のようになります。

 

接点開閉頻度:1分に3回以上の開閉頻度があるか
ある → 無接点リレー
ない → 有接点リレー

操作コイル電圧:出来る限りDC24Vで設計して選定
接点容量:対象機器により、メーカー詳細カタログで確認して選定
接点数:なるべくリレーの数が少なくなる方向で設計(PLC等で処理させる)
サイズ確認:上記選定後、設置可能か大きさをカタログ等で確認

 

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4.さいごに

 

選定に必要となる各項目について説明しましたが、それぞれの案件や業態に合わせて選定していくことが必要です。選定は開閉頻度と接点容量に注意して行いましょう。

私も一度だけ開閉頻度が多くて有接点リレーが焦げてしまったことがあります。あとで無接点リレーへと交換しましたが、今考えるとお恥ずかしい限りです。

私のように恥ずかしい思いをしないように選定していきましょう。

 

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