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このページでは、主回路の展開接続図(三線結線図)の作成手順(書き方)について紹介しています。
単線結線図を詳細にしたものが展開接続図です。
『単線結線図の作成手順』で作成した図面、と言えば分かりやすいかもしれません。
まだ見ていない方は以下よりご覧ください。
単線結線図の作成手順と書き方を覚えるこのページで展開接続図の書き方が分かれば、あなたも主回路を一人で作成できるようになります。
制御盤の主な回路は一人で作成できるようになるので、あなたも立派な会社の戦力ですね。
まずは展開接続図とは何かを理解して、書き方を覚えてしまいましょう。
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1.展開接続図ってなに?
展開接続図とは、その言葉の通り展開した接続図です。
なにを展開したのかと言うと、単線結線図や系統図などで示した接続を、詳細に書き表したものです。
単線結線図や系統図に記載された内容だけでなく、全ての接続を詳細に書き表して制御盤を製作する人に明確に指示できる状態とします。
製作する人が分からなくなる場合、大抵は図面上に情報が不足しています。
回路記号、線番号、機器の端子番号など全て記載するようにしましょう。
2.単線結線図を確認しよう
1項で説明したように、展開接続図は単線結線図や系統図を展開したものです。
『単線結線図の作成手順』で説明した単線結線図を展開接続図へ展開していきます。
まだ単線結線図が分からないという方は、以下のページを先にご覧になってください。
それから展開接続図について学んだ方が理解が早いです。
では早速、単線結線図を確認してみましょう。
単線結線図
この単線結線図では、接続の概要や主たる回路の線番号は分かります。
しかし、どの電線をどの端子に接続するかが明確に示されていません。
このままでは制御盤を製作する人によって違うものが出来上がる可能性が高いです。
どんな人が制御盤を製作したとしても同じように接続された制御盤が出来るように、単線結線図をもとに展開接続図を作成しましょう。
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3.実際に展開接続図を書いてみよう
単線結線図をもとに展開接続図を書いていきましょう。
書いていく際の手順は以下の通りです。
さて、それでは実際に書いてみましょう。
3-1.受電~主ブレーカ
まずは受電から主ブレーカまでを書いていきましょう。
単線結線図でいうと以下の部分になります。
全体図だと小さくて見ずらいので、アップにしてみました。
この部分を展開していきます。
まずは受電の端子です。
受電の仕様は「AC200V 3Φ 50Hz」ですので、記載しておきましょう。
R相、S相、T相のほかにアース端子もありますので忘れずに記載しましょう。
次に受電した端子から主ブレーカへの結線を書きますが、単線結線図には斜め線が3本ありますよね?
ですので、受電した端子から3本の電線を主ブレーカに結線するように書きます。
単線結線図に線番号が「R、S、T 0」と記載がありますので、同じように線番号を記載しておきましょう。
電線はMLFCの22sqを使用して結線しますので、電線の種類とサイズを記載しましょう。
ここまで書いたら、次は受電表示灯の部分を書いていきましょう。
展開する前に、一つ注意点です。
以下の図を見てください。
丸のなかは斜め線が2本ですね。
これは電線2本で結線することを示していますので、勢い余って3本線で書かないように気をつけながら進めましょう。
ヒューズが2つありますので、R0、S0からそれぞれ結線します。
電線はKIVの2sqを使用します。
そのあと、表示灯用の変圧器を経て受電表示灯へ結線します。
主ブレーカの2次側は2系統に分けます。
分ける理由は、結線作業時は細い電線の方が引き回しが容易になりますので、そのような作業性を考慮して2系統に分けています。
線番号はR1、S1、T1となります。
それぞれSHT.2とSHT.3へと行き先を記載します。
ここまでを書くと以下のようになります。
SHT.1
3-2.主ブレーカ~各対象機器
次は主ブレーカから各対象機器への結線を書いていきます。
先ほどのSHT.1で2系統に分けた行き先ですが、対象機器はそれぞれ 7.5kW、1.5kW、1.5kW、2kW の4つの対象と、制御電源の負荷がありますが、なるべく均等になるように分けます。
すると 7.5kW は最大、1.5kW は最小、2kW は単相ですので電流値がやや高め。
この場合には 『7.5kW + 1.5kW』 この2つの組合せで9kWとします。
残りの 『1.5kW + 単相2kW + 制御電源』 の組合せで系統分けしていきます。
それでは、まず 9kW の組合せを書いていきましょう。
単線結線図のどの部分かというと、以下の通りです。
全体で見ると小さくて見ずらいので、各対象機器を拡大します。
拡大すると斜め線は共に3本ですから、すべて電線は3本を結線するように書きます。
接続はここで終わりですので、R1、S1、T1はここから先にはいかずに ***ポンプ2 で終わるように書きます。
各線番号と電線の種類とサイズも書くと、以下の様な図面になります。
SHT.2
次に、もう残りの対象機器への接続を書いていきましょう。
単線結線図のどの部分かというと、以下の部分になります。
小さいので拡大しましょう。
ここで注意点、2kWは単相です。
単線結線図をよく見てみましょう。
斜め線が2本ですので、この結線は2本線で書きましょう。
この先に制御電源の回路を描く必要がありますが、このページに入れてしまうと見ずらくなってしまいます。
次のページに書くことにして、R1、S1は次のページに行くことを記載しておきましょう。
ここまでを書くと以下の様になります。
SHT.3
3-3.主ブレーカ~制御回路
さて、残りは制御電源の回路です。
単線結線図でいうと以下の部分になります。
書く部分を拡大してみましょう。
全て斜め線が2本ですので、全て2本の電線を結線するように書いていきます。
制御電源ブレーカのMCB2、変圧器TR1、その先も斜め線は2本でCP1~3へ分岐していきます。
DC電源PS1とPLC1を記載して、DC電源の先にはさらにCP4があります。
すべて記載すると、以下の様な図面となります。
SHT.4
これでSHT1~4までで単線結線図を展開接続図(三線結線図)にすることができました。
4.さいごに
さて、単線結線図を展開するとどうなるか、全ての図面を並べて見てみましょう。
単線結線図
単線結線図を展開すると
SHT.1
SHT.2
SHT.3
SHT.4
以上になります。
一つ一つを書き起こしていけば、必ず展開接続図になっていきます。
線番号や電線サイズの記載をしておけば、どの製作者が作っても必ず同じ接続の製品となります。
製作者から問い合わせがないように、図面に記載できるものは全て記載するつもりで書いていきましょう。
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