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このページでは、リレー回路の基本的な使い方とリレー回路の基本となる基礎回路について紹介しています。
あなたはリレーの基本的な使い方を知っていますか?
シーケンス制御においてはリレー回路は欠かせない存在です。
電気制御、特に制御盤ではリレーは必須部品です。
基本的な使い方は知っておいた方がいいですね。
このページでリレーの基本的な使い方と、基礎回路である『自己保持回路』を覚えていってくださいね。
目次(概要)
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1.電圧が合わないときにリレーを使う
制御盤(所掌範囲)の外へ信号を送るとき
制御盤では、外部機器とのやり取りのために信号を送ることが多々あります。
盤内のみで信号の受け渡しをするのであれば、条件を考慮して回路を設計することもできます。
しかし、制御盤の外に信号を送るときには注意が必要です。
相手側の電圧は制御盤側の電圧と同じとは限りませんし、たとえ電圧が同じ値だとしても多少の電位差があれば電位の低いほうへ電気は流れてしまいます。
こんなときにリレーは活躍します。
無電圧接点で信号を渡す
制御盤の外へ信号を送るときには『無電圧接点』で信号の受け渡しをすることが望ましいです。
リレーを使うことで、相手に無電圧接点で信号を渡すことができます。
反対に信号を受けるときには、相手の電圧に合わせたリレーを用意し、リレーの接点を信号として受け取ることができます。
上の画像は信号を相手に送るときのリレーの回路になります。
R1の接点を外部端子と結線しておくことで、相手側はこの外部端子からR1の信号を受け取ることが出来ます。
『無電圧』ですから電圧を気にする必要はありませんので自由に使えますね。
1点だけ注意したいのが、接点に流れる電流値です。
リレーの接点には電線と同じく許容電流がありますので、接点の許容電流値の範囲内で使用する必要があります。
接点に流れる電流値については事前に確認をしておきましょう。
2.複数の信号をまとめるときにリレーを使う
同じ用途の信号は用途別にまとめる
ブレーカのトリップ信号やサーマルリレーのトリップ信号など、対象となる機器を停止させるという目的の信号。
同じ目的の信号がいくつか存在することがあります。
こんなときにもリレーは活躍します。
複数の信号を用途別に集約するためにリレーを使うことで、同じ目的のいずれかの信号がONしてもリレー1つに集約することが可能です。
複数条件も1つの接点で回路を作れる
同じ目的の信号が複数あるケースとして、機器を停止させるための異常信号やインターロック信号であることが多いです。
集約する場合、以下のように回路を構成します。
上の画像は3つの信号を1つのリレーに集約しています。
X1:ブレーカトリップ
X2:サーマルトリップ
X3:インターロック信号
R1の接点1つで、保持回路を解除することが出来るようになります。
停止条件が追加となった場合でも、並列に信号を追加すれば保持解除の回路は変更する必要はありません。
複数条件が重なる場合にはリレーを使って集約することで、分かりやすい回路構成とすることが出来ます。
難点として、用途別で信号を集約していくとリレーの数が増えます。
盤内のスペースも限られていますので、設置出来るスペースがあることを確認しておくといいですね。
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3.リレーを使って自己保持回路を作る
自己保持回路で信号キープ
押しボタンスイッチなど短い時間だけONする信号をキープしておきたいことってありますよね?
信号をキープしたいときには自己保持回路を作って、信号をキープ(保持)します。
リレーを使うことで短い時間だけONする信号を自在にキープし、解除することが可能になります。
運転、停止などのON/OFF制御に最適
機器の運転を制御するときに運転信号をキープするために自己保持回路を作ります。
上の画像では、緑で囲んだ部分が自己保持用の接点、青で囲んだ部分が自己保持解除用の接点となります。
青で囲んだ解除用接点を入れ忘れると、自己保持したまま解除できない回路となってしまいます。
異常やインターロック信号を検知したら、自己保持が解除されるように回路を構成しましょう。
自己保持回路をマスターすれば、自在に信号を保持、解除することができますね。
4.さいごに
リレーを使った回路は、シーケンス制御としては基本中の基本となります。
型を覚えるだけでなく、内容を理解しておくことが大事です。
このページで紹介したのは基本、基礎となるリレーの使い方と回路です。
基本回路を応用して、制御設計に活かしてくださいね。