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3秒で答えられる交流動力回路の概算電流値を求める方法

3秒で答えられる交流動力回路の概算電流値を求める方法

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このページでは打合せや現場作業時などに急いで概算の電流値を求めたい場合に使える、3秒で概算の電流値を求める方法について紹介しています。

打合せの最中や、現場作業をしているときに得意先の担当者から「ここの電流値ってどのくらいかな?」なんて聞かれるときってありませんか?
私はよく聞かれることがあります。
相手も私が設計をしている者と分かっているので聞いてくるのでしょうね。

ここですぐに答えられないと、相手からは「この人、大丈夫かな…」と思われることも。
「それなら〇〇Aくらいですよ」なんてパッと答えられたら、信頼度と評価は上がりますよね。

実は、概算であれば簡単に求められる方法があります。
知っていればあなたも3秒で概算の電流値が答えられます。

簡単な計算ですが、意外と知らない方が多いです。
このページにたどり着いたあなたにこっそり教えます。

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1.概算電流値を求められる条件

概算電流値を求められる条件

 

三相誘導電動機(三相モーター)

概算電流値を求められるのは三相誘導電動機、三相モーターと言われるものです。
サーマルリレーのカタログで選定資料などにモーターの容量値ごとに定格電流値が記載されています。

打合せや現場作業時には手元にカタログを持ってないことの方が多いですよね。
そんなときに概算でパッと分かる計算式をご紹介します。

 

交流200Vと400V

前述したように三相モーターの電流値を求めるので、使われる電圧もAC200VかAC400Vになります。
大きい構造物を動かすための動力回路は三相交流であることが多いです。

三相モーターでAC200V、AC400Vであれば役に立つ計算式です。
単相や直流を多く扱う方には残念ながら役に立つ機会は少ないかもしれません。

 

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2.概算電流値を求める方法はたったこれだけ

概算電流値を求める方法はたったこれだけ

 

まずは求める方法、たったこれだけ

もったいつけましたが、概算の電流値を求める方法は以下の通りです。

AC200V三相モーターの場合

モーター容量(kW)の4倍の電流値となる
例)5.5kWの場合 4倍で22.0A

AC400V三相モーターの場合

モーター容量(kW)の2倍の電流値となる
例)5.5KWの場合 2倍で11.0A

たったこれだけ、簡単ですね。
算出された数値がどのくらいの誤差なのか確かめてみましょう。

 

三相AC200Vでの定格電流値と概算電流値を比べてみる

サーマルリレーの選定カタログ等に記載の定格電流値と、概算で算出した電流値の差を確かめてみましょう。
まずは三相AC200V(以下、3Φ AC200V)で比べてみましょう。

AC200Vの時の概算電流値は前述したようにモーター容量(kW)の4倍です。
5.5kWと22kWのモーター容量では以下の計算式で算出します。

5.5(kW) × 4 = 22(A)
22(kW)  × 4 = 88(A)

カタログに記載されている5.5kWと22kWの定格電流値は以下の通り。

5.5kW:3Φ AC200V 22A
22kW :3Φ AC200V 82A

まりおん

そんなに大きな差もなく誤差範囲内くらいの差ですね

概算という条件がついていれば、おおよその値は合っています。
このくらいの差であれば”概算”という前提では問題ないですね。

 

三相AC400Vでの定格電流値と概算電流値を比べてみる

先ほどは3Φ AC200Vの概算電流値をカタログ記載の定格電流値と比べてみました。
次は三相AC400V(以下、3Φ AC400V)で比べてみましょう。

AC400Vの時の概算電流値は前述したようにモーター容量(kW)の2倍です。
AC200V時と同様に5.5kWと22kWのモーター容量で算出します。

5.5(kW) × 2 = 11(A)
22(kW)  × 2 = 44(A)

カタログに記載されている5.5kWと22kWの定格電流値は以下の通り。

5.5kW:3Φ AC400V 11A
22kW :3Φ AC400V 42A

まりおん

AC400Vも大きな差もなく誤差範囲内くらいです

3Φ AC400Vも”概算”という条件であれば、おおよその値は合っています。
そんなに難しいこともなく、簡単に概算電流値を算出できますね。

 

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3.さいごに

概算電流値_さいごに

 

設計時にはしっかりと定格電流値を確認した上で設計するのは言うまでもありません。
制御盤の大体の一次ブレーカ容量値の算出や、カタログや確認するものがない状態での概算の電流値の算出はスピードを求められます。

スピードを求められる時代だからこそ、概算値を算出する計算式は知っておきたいところです。
さっと回答できると「あ、この人はよく知ってるなぁ」なんて相手に感心されることも。

あなた自身の設計にも役立つ概算値の算出式、このページで覚えて活用してくださいね。