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制御盤やメンテナンス時の現地調整の基本手順(全体の流れ)

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このページでは、現地で調整作業を行うときの基本的な手順を紹介します。

現地調整は制御盤などの製作物の出荷後、実際に使用する場所で行います。
現地へ行ったはいいけど、さて何からすればいいのか・・・こんな状態とならないために基本的な手順を覚えておきましょう。

基本手順をわかっていれば、現地での行動も先回りした動き方ができるようになるので、客先からも「動きがいいな、信頼できそう」と評価が高まります。
客先も「次の仕事もお願いしようかな」と思ってくれればあなたの手柄ですし、客先も信頼できる発注先を見つけられて、WIN-WINの関係になれますね。

※現地出張の際には『出張の準備を楽にするために持っていく荷物は決めておこう』で荷物を確認してみてくださいね。

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1.設置後の配線接続確認

 

まずは電源を投入する前に、配線接続(外線の外部端子への接続)が正しくされているか確認をしましょう。
いきなり電源投入して「バチバチッ!」となってしまってはとても危険ですし、せっかく製作した物を壊してしまうのは何とも悲しく残念です。

いきなり故障なんてことにならないように、必ず電源投入前に配線の接続確認を行いましょう。

 

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2.通電確認

 

配線の接続に問題がないことを確認できたら、電源を投入して問題ないかを確認します。
時間が許すのであれば、1日は通電したままの状態にて問題が発生しないかを確認した方がよいと思います。

設計の容量計算が間違っていた場合、時間が経過してから電線から煙が発生するなどの問題が起きることがあります。

まずは安全に使用できることを確認する必要がありますので、1日またはそれ以上の時間を通電したままの状態にして通電確認することをおすすめします。

 

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3.入出力信号の確認

 

通電して問題が起きないことが確認できたなら、次は入出力信号の確認を行いましょう。
PLCを使用している場合は、入力、出力をプログラム停止の状態で確認していきます。

プログラムがRUNしていると、入力信号に従って動き始めてしまうかもしれません。
この時点で動かすのはまだ早いので、まずは確認をしましょう。

プログラムはSTOPの状態で入力から確認し、その後出力信号で出力しても機器が動いたりしない部分を確認していきます。

出力すると機器が動いてしまう信号に関しては、状況を考慮して客先と相談の上、確認をするか決めましょう。

 

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4.実機での動作確認

 

ここまでで配線接続、通電、信号の確認が終わりました。
次はいよいよプログラムをRUNして実機での確認を行っていきましょう。

実機での確認の際は、実際に機器が動作しますので、機器周りの状況や人がいないかなどをよく確認して行いましょう。

プログラムの確認をしながらの実機確認は一人では不可能です。
アシスタント役の人と一緒に確認を行うことを勧めます。
客先が了承してくれれば、客先と一緒に確認でもよいと思います。

実際に運用開始してから問題が発生しても、簡単に機器を止めることが出来ない場合もあります。
すべての機器の動作を確認できる範囲はすべて確認しておきましょう。

 

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5.実運転での動作確認

 

いよいよ、最後の関門です。通常通りに使用してもらい、運転状況を確認します。
客先にやりたいように運転してもらい、問題個所がないかを確認していきます。

1日程度は正常に運転できるか確認することをおすすめします。

機器の規模によっては1週間程度、または1か月の運転確認を要求されることもあります。

 

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6.さいごに

 

ここまでが現地調整の基本手順となります。
出荷前にシーケンス確認などの基本動作確認が終わっていることを前提としています。

シーケンス試験を実施していない場合には、現地調整の中でシーケンス試験も同時に実施することになります。
修正部分があればその場で対応しなければならず、大忙しの状態となります。

出来るだけ出荷前にシーケンス確認は終わらせておいて、機微(わずか)な修正程度で済むようにしておきましょう。

基本手順を抑えて、期限に間に合うように現地調整をスムーズに行っていきましょう。

 

以下の記事に現地調整時の注意点をまとめましたので併せてご覧ください。

関連記事 現地調整時の注意点

また、現場作業でドリルを使用した作業があるときに便利なツールを紹介しています。
よく現場作業をする方にはおすすめのツールです。

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