制御盤製作時の部品選定(インバータ)|選定基準と選定例

制御盤製作時の部品選定(インバータ)|選定基準、選定例

スポンサーリンク


このページでは、制御盤で使用されることの多いインバータはどういうものか、選定基準と選定例について紹介しています。

制御盤では大きい負荷を動かすためにインバータを選定することがあります。
インバータってどういうものか、選定時にどのように選定すればよいのかは、初めての選定ならば分からないことばかりですよね。

このページでインバータの仕組や選定基準を理解しておけば、打ち合わせ時でも客先に提案などできます。
あなたが「最近では多機能で~~もできますよ」なんて得意げに言えば、相手からの信頼度もアップしますね。

仕組と選定基準、どんな種類があってどんなことが出来るのかを理解しておきましょう。

スポンサーリンク

1.インバータってどういうもの?

インバータってどういうもの?

 

インバータは今や多くの身近なところに使われています。

家の中の家電製品では 洗濯機 エアコン 冷蔵庫 など。
移動手段として利用する 電車 電気自動車 ハイブリッドカー などに使われています。

インバータとは、電源周波数を変えることでモーターの回転数を制御するために使用します。
例えば、コンベヤなどは動作する速度を変えたいので、モーターの回転数を変えることで速度変更する制御をしたいときに使用するものです。

また、節電にも一役買っています。
最近では洗濯機やエアコンで『インバータ方式』などの文字を見かけるようになりましたね。

インバータの仕組みについて、別ページにまとめました。
イラストなどで分かりやすく説明していますので、詳しくは以下をご覧ください。

インバータはどんなときに使う?仕組みと使用目的、得られる効果や具体例インバータはどんなときに使う?仕組みと使用目的、得られる効果や具体例

 

目次へ戻る

 

2.選定基準は?

選定基準は?

 

初めての選定の際にどの部分を選定基準にすればいいの?
私自身も初めてインバータを選定するときは分かりませんでした。

必ずおさえておくべきポイントを説明します。

 

2-1.電圧

使用する電圧をおさえておきましょう。
ほとんどが交流電圧で使用することが多いです。

AC100V、200V、400Vなどで使用することがほとんどです。
中には直流電源しかない場合もありますので、そのような用途でも使用可能なものはあります。

 

2-2.出力容量

インバータはモーターなどの負荷を制御するためのものです。
負荷がどのくらいの容量であるのかは重要です。

出力容量によってインバータの大きさや制御盤の放熱対策に影響があります。
必ずおさえておきましょう。

出力容量で選定する際の注意点がひとつあります。
可能であれば、容量の1ランク上のインバータを選定することをおすすめします。

理由として、低い周波数(遅い速度)で動かす時には電流値が高くなる可能性があります。
すると、インバータの過電流抑制機能(サーマルトリップ)が働いて動かせないことがあります。
(実際に経験しました)

コンベヤ等の用途では遅く動かしたいことがあります。
低い周波数を使うことがあるのかを確認して、低周波数で制御するのなら注意して選定してくださいね。

 

2-3.大きさ(設置スペース)

設置する場所の許容スペースに対して入らない大きさのものを選定しては、設置できなくなってしまいます。
電圧と出力容量をおさえてからの検討事項ですが、大きさは必ず確認して設置可能か見ておきましょう。

 

2-4.熱対策(放熱)

インバータは仕組みを説明した通り、交流→直流→交流と変換しているのでロスするエネルギーが発生します。
ロスしたエネルギーの行き場は・・・熱となって発生します。

発生した熱は上昇していきます。
ですので、インバータの上側に熱に弱い機器を配置しないように気をつけましょう。

また、制御盤の放熱についても検討しておく必要があります。
制御盤の側面上部や天井に熱排気用のファンを設置したり、盤用クーラーを設置したりする必要が出てくる可能性が高いです。

熱計算をして、放熱対策もしっかりと検討しましょう。
制御盤の熱計算については以下のページをご覧ください。

制御盤製作における熱計算書(ファン必要風量計算)の作成手順(フォーマットあり)制御盤製作における熱計算書(ファン必要風量計算)の作成手順(フォーマットあり)

 

目次へ戻る

 

スポンサーリンク

3.各用途による選定例

各用途による選定例

 

使用する電圧などによって様々な種類のインバータを選定しなければなりません。
選定の一例として、三菱電機製インバータの選定例を紹介します。
必要な付属品も記載しておきます。

 

条件1

  • AC400V出力の場合で、設置スペースに余裕がある場合
  • フィルターなどが内臓されていた方がいい場合
  • 高機能、高性能で様々な用途で使用できる方がいい場合

インバータ本体: FR-A840-*.*K-1 数量1
ACリアクトル: FR-HAL-H*.*K 数量1(本体1に対して)
DCリアクトル: FR-HEL-H*.*K 数量1(本体1に対して)
ラインノイズフィルタ: FR-BSF01 数量1(本体1に対して、出力側に使用)
(配線が太い場合) FR-BLF 数量4(本体1に対して、出力側に使用)
※*.*(出力):0.4~280(kW)

 

条件2

  • AC200V出力の場合で、設置スペースに余裕がある場合
  • フィルターなどが内臓されていた方がいい場合
  • 高機能、高性能で様々な用途で使用できる方がいい場合

インバータ本体: FR-A820-*.*K-1 数量1
ACリアクトル: FR-HAL-*.*K 数量1(本体1に対して)
DCリアクトル: FR-HEL-*.*K 数量1(本体1に対して)
ラインノイズフィルタ: FR-BSF01 数量1(本体1に対して、出力側に使用)
(配線が太い場合) FR-BLF 数量4(本体1に対して、出力側に使用)
※*.*(出力):0.4~90(kW)

 

条件3

  • 設置スペースに余裕がない
  • フィルターなどは内臓でなくてもよい
  • 少しでも安価に購入したい
  • 小容量の対象負荷のみ

インバータ本体(3ΦAC400V):FR-E740-*.*K ※*.*(出力):0.4~15(kW)
インバータ本体(3ΦAC200V):FR-E720-*.*K ※*.*(出力):0.1~15(kW)
インバータ本体(1ΦAC200V):FR-E720S-*.*K ※*.*(出力):0.1~2.2(kW)
インバータ本体(1ΦAC100V):FR-E710W-*.*K ※*.*(出力):0.1~0.75(kW)
ACリアクトル/DCリアクトル(400V):条件1と同様
ACリアクトル/DCリアクトル(200V):条件2と同様
ラインノイズフィルタ:条件1,2と同様
ラジオノイズフィルタ(400V):FR-BIF-H
ラジオノイズフィルタ(200V):FR-BIF

 

目次へ戻る

 

4.さいごに

さいごに

 

インバータは三菱電機以外でも選定例を元に考えれば決めれると思います。
いざ困った場合は、メーカーの代理店などを探して聞いてみましょう。

相手も機器を購入してほしいのですから、要求される仕様さえ分かっていれば選定してくれます。

いきなり情報を頭に詰め込もうと思っても覚えきれません。
まずは自分なりの手順を決めて、型にはめて考えられるようにするといいですよ。