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PLCラダープログラムでの自動シーケンス(ステップ回路)作成手順

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このページでは、PLCでのラダープログラムでは自動シーケンスにおいて基本となるステップシーケンス(ステップ回路)の作成手順について紹介しています。

PLCでのラダープログラムはシーケンス制御に欠かせません。
中でも自動シーケンス制御は、PLCを扱っていれば出会うことになるだろう制御です。

自動シーケンス制御において『ステップシーケンス』というものがあります。
自動シーケンスのラダープログラムとしては”基本”となる制御方式です。

このページに書いてある作成手順を覚えて自分で自動シーケンスのラダープログラムを作成できるようになれば、ラダープログラム作成においてはほぼ一人前です。
ラダープログラム作成のあらゆるパターンを覚えて、あなたもラダープログラム上級者を目指しましょう。

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1.ステップシーケンスってなに?

ステップシーケンスってなに?

ステップシーケンスとは工程歩進制御のことを言います。

あらかじめ実行順序が決まっていたり、時間が経過すると工程が進んでいくシーケンス制御のことです。
工程を順番通りに制御していくものととらえてもらえばいいと思います。

ステップシーケンスは自動シーケンス制御としては基本的な動作となります。

 

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2.プログラム作成前の準備は?

 

プログラム作成前の準備は?

 

ステップシーケンスのラダープログラムを作成する前にはどのような準備をしておけばよいのでしょうか。
準備について説明します。

まず、ステップシーケンスのラダープログラムを作成するために必要な項目を挙げてみましょう。

・全体の動作順序
・各工程の動作内容
・各工程の完了条件
・繰り返し動作があるか
・自動シーケンスの終了条件

 

全体の動作順序

全体の動作フロー(流れ)が分かっていないと各工程に落とし込んでいくことは難しいです。
どのような目的があり、その目的達成のためにどのような順序で動作すればよいか、全体像をおさえておく必要があります。

 

各工程の動作内容

全体の動作フローから細かい工程の動作に落とし込んでいきます。
この時点では完了条件などは気にしなくていいです。

最初から完成形を狙うのではなく、まずはどのような動作を順番にしていくのかを把握していきましょう。

 

各工程の完了条件

各工程の動作内容を把握したあと、完了する条件をおさえていきます。
動作をするということは、終わりも決めてあげなければなりません。

『〇〇まで動いたら』『数値が〇〇になったら』『〇秒経過したら』
このような完了条件を決定し、動作を完了させる必要があります。

各工程ごとに動作完了条件を決めましょう。

 

繰り返し動作があるか

全体の動作において繰り返し動作があるか、おさえておきましょう。
各工程動作や完了条件を検討していれば自ずと気づくと思います。

繰り返し動作は何度もプログラムで作成する必要はありません。
繰り返し実行できるようにプログラムを作成してあげればよいのです。

繰り返し動作の始動条件や完了条件、繰り返し条件を決めておきましょう。

 

自動シーケンスの終了条件

さいごに、この自動シーケンスはどのような条件で終了するかを決定します。

『停止ボタンを押したら』『異常が発生したら』『〇〇の動作が完了したら』
終了条件が成立したら自動シーケンスを終了させなければなりません。

正常終了、異常終了の各条件をおさえておきましょう。

 

上記で挙げた項目の資料を準備してからラダープログラムを作成していきましょう。

 

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3.どうやって作成するの?

 

どうやって作成するの?

 

準備ができたところで、さっそくプログラムを作成していきましょう。

私が作成したプログラムを参考に説明していきます。
ここからはプログラム作成の準備が出来ていることを前提に話を進めます。

 

参考プログラムのポイントとなる命令について

プログラム内で使用するポイントとなる命令について説明します。

[DECO D7100 M7100 K6]

上記の命令をプログラム内で使用しています。
デコード命令と言って、D7100に入っている数値をM7100から始まるビットに置き換える命令です。

『D7100=0』の時は、命令を実行すると『M7100:ON』となります。
『D7100=2』の時は、命令を実行すると『M7102:ON』となります。

該当するビット以外はOFFとなります。

 

最後の「K6」というのは「M7100~M7163」の64ビットの範囲までデコード命令でON/OFFします。
「K*」の*は、何ビットをデコードするかという役割になります。

「K4」の時は「M7100~M7115」の16ビット、「K5」の時は「M7100~M7131」の32ビットをデコード命令でON/OFFします。

K4⇒0~15STEP
K5⇒0~31STEP
K6⇒0~63STEP
K7⇒0~127STEP
K8⇒0~255STEP

*の指定範囲は最大8までとなり、それ以上の数値を設定するとエラーとなります。
ユーザーズマニュアルにも命令の内容について詳細説明がありますので、プログラム例などを自分で作成してシミュレーションでいじってみると理解が深まりますので試してみてください。

 

ステップ回路のプログラム例

参考プログラムとして以下の画像をご覧ください。

ステップシーケンス回路1

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ステップシーケンス回路2

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ステップシーケンス回路3

クリックで拡大

ステップシーケンス回路4

クリックで拡大

 

各番号を記載した箇所について、以下より説明します。

1:起動条件

には起動条件を入れてください。
特に起動条件がない場合には常時ON(SM400)を入れてください。

 

2:実行指令

にはプログラム実行指令を入れてください。
この画像の例ではリンクビットデバイスを仮で入れてあります。

この箇所に入れたデバイスがONすることでプログラムが起動します。
ONしたままになるようなデバイスを指定しないように気を付けてください。

 

3:ビットデバイスのリセット

3はプログラムが停止した際にデコード命令でONしているビットデバイスすべてをリセットするための指令です。
範囲内のビットデバイスがすべてOFFするように「K*」の*に入れる数値を変えてあげましょう。

 

4:一時停止フラグのリセット

4は一時停止フラグのリセット命令です。
こちらもプログラムが停止した際にリセットされるようにしてあります。

 

5:一時停止フラグのON-OFF制御

5は一時停止フラグのON/OFF回路になります。
「M7777」の部分に一時停止条件を入れます。
不要な時には削除してください。

 

6:ステップの完了条件

6はステップの完了条件を入れてあげます。
関係ないステップや無条件に完了させたいステップには常時ON(SM400)を入れてあげましょう。

 

7:一時停止フラグ

7は一時停止フラグになります。
一時停止を使用する場合にはこのまま使用してください。
一時停止が不要な時には削除しましょう。

 

8:工程管理デバイス

8はプログラムの工程管理デバイスになります。
ここで”9″を入れれば、この参考プログラムでは「M7109」がONします。

何番目の工程を処理しているかはこのデバイスに格納されている数値を見れば一目瞭然です。
6~8のプログラムにあるようなステップ回路を必要な工程数に応じて複数作成してください。

ステップの管理をしている「D7100」も同様に作成しましょう。
ステップを管理している「D7100」に任意の値を格納することで、自在に飛ばしたいステップへ工程を送ることができます。

例えば、6ステップ目を完了したあとにステップ10へ工程を送りたい場合には「D7100」に”10″を格納してあげることでステップ10に工程を送ることができます。

 

9:最終工程へのスキップ

9は最終工程のステップへ工程を送る(スキップする)回路になります。
工程を送りたい場合には、9の回路のように作成するとよいです。

 

10:ステップシーケンス終了条件

10はステップ回路の終了条件を入れます。
正常終了は工程がすべて終わった場合か、終了ボタンが押された場合がほとんどだと思います。

異常発生時に即停止させたい場合などもここに条件を入れてあげましょう。

 

11:デコード命令回路

11はこのプログラムの肝心な命令になるデコード命令です。
デコード命令は、画像の命令にある「D7100」に任意の値を入れることで「M7100」を先頭としてデコードしてくれる命令です。

デコード命令は指定された範囲内の1ビットのみONします。
この特徴を利用することで、プログラムミスでの工程同時実行を防ぐことができます。

 

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4.さいごに

さいごに

ステップシーケンスは自動シーケンス制御の基本中の基本となります。

このプログラムは私が14年くらい前に作成したものです。
しかし、未だに現役で活躍できるプログラムでもあります。

ぜひこのプログラムを参考にして、応用したプログラムを作成してみてください。

あなたも基本の技を覚えて、どんどん応用していきましょう。