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このページでは、制御回路を詳細設計する際の線番号を決める手順について紹介しています。
詳細の回路図を作成しようと思って作成を始めると、線番号はどうやって決めようかなあ・・・
線番号を決める時に困ることがあるかと思います。
このページに書いてある線番号を決める手順で簡単に決められますから、展開接続図もササっと作成できます。
ラダープログラムの作成などに余った時間を有効に使えますね。
線番号についてはJIS規格等での決まりごとはありません。
このページで紹介している手順を参考に、自分でルールを決めて線番号を決めていくといいですよ。
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1.主回路の線番号
主回路の線番号はどのように決めていくか、一つの手順を示します。
主回路は、まず受電があり、その後ブレーカを設けて分配していきます。
分配した先で、さらにブレーカ、電磁開閉器を経由して対象機器へ供給されていきます。
例として、受電は三相、対象機器は4機器ある場合の線番号はどうなるでしょうか。
以下に例を示します。
受電(3Φの場合)~主ブレーカ一次側
R0、S0、T0
主ブレーカ二次側~各ブレーカ一次側
R1、S1,T1
各ブレーカ二次側~各電磁開閉器
R11、S11、T11
R12、S12、T12
R13、S13、T13
R14、S14、T14
各電磁開閉器~各対象機器
U11、V11、W11
U12、V12、W12
U13、V13、W13
U14、V14、W14
これは一例ですが、このように自分でルールを決めて線番号をつけましょう。
例では ”0” からとしていますが、AC400V系統の場合には ”R400” のように、電圧がわかる形式での線番もいいですね。
なぜ例では ”0” からとしているのかというと、電圧に左右されない形式の方が流用できるからです。
流用できるということは AC100V AC200V AC400V どの電圧でも使いまわしが出来る線番になります。
時間効率が高く、流用することでミスを減らすことを想定しているという理由から ”0″ からとしています。
気を付ける点として、機器側への配線の線番号は受電~電磁開閉器(負荷に接続前)までのR、S、Tから、負荷に接続する部分ではU、V、Wへと変わります。
そのままR、S、Tとしないように気を付けましょう。
R、S、TとU、V、Wの意味を調べたことがあります。
もともとはアルファベットの順番で並べただけ、後からルールを付け足したような説がありますが、どれもはっきりとしません。
はっきりしているのは、負荷側はU、V、Wに変わるということだけです。
もし知っている方がいたら私にも教えてくださいね。
2.制御回路(PLC)の線番号
PLCの線番号については、アドレスをそのまま線番号にするのが簡単です。
三菱電機製のPLCであれば、入力信号はX000から、出力信号はY000から16進数で割り付けるのが簡単です。
各メーカーによってPLCのアドレスの付け方は違います。
どのメーカーのPLCでも共通にするのであれば ”IN”+”アドレス番号” のようにすれば入力信号が表せます。
出力信号も ”OUT”+”アドレス番号” で表せます。
いずれの表現でも、見てすぐに分かることが大事です。
ルールを決めて分かりやすい線番号にしましょう。
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3.制御回路(PLC以外)の線番号
PLC以外の制御回路の線番号ですが、簡単なルールの例として展開接続図のページ番号と連番の組み合わせという方法があります。
または”固有の記号”+”ページ番号”+”連番”でもOKです。
ページ番号を引用した場合のデメリットとして、後から図面修正をする際にページの並び順や途中のページが増えた際にはすべての線番号がずれてしまいます。
案件の性質上、変更が多いものであれば”固有の記号”+”連番”の方がいいですね。
いずれにせよ、条件としては『ほかの線番号と重複しない』ことが成立するルールとすることです。
4.さいごに
線番号は電線を識別するために非常に重要な要素となります。
主回路は R、S、T と U、V、W の連番で、主幹から1階層下がれば2桁、その下は3桁 とするのが使いまわしが効きます。
制御回路は ”固有記号(回路符記号)+連番” がオーソドックスで使いまわしが効くでしょう。
PLCはアドレスが定番で、分かりやすいです。
何よりも法則は『線番が重複しない』ことが最重要であり、次に『識別しやすいこと』となります。
重複している場合、製作する人が間違って接続してしまったり、違う電圧の線が接続されてしまったりとトラブルの元になります。
必ず重複していないことを確認しましょう。
また、電線には一般的にマークチューブに線番号を印字して電線を通します。
マークチューブへの印字と視認性を考慮すると、線番号は『6桁以内が望ましい』です。
6桁を超えてくると、非常に見ずらいこと、マークチューブが長くなることから、なるべく6桁以内となるような法則で線番号を付与してあげましょう。
以下の関連記事もご覧ください。
制御盤製作時の電線の選定手順と注意点|選定基準が分かれば簡単